【プランニング辞典】マンションで、古民家風の住まい

『便利さと昔の農家の自由さの融合』


今回は、マンションの利便性を享受しながら古民家のようなインテリアにしたいと望むKさんのケースをご紹介しましょう。

家族が何人だから部屋がいくつという機能面を重視する住まいは窮屈で住みづらいので、昔の農家の自由さがある住まいを、というのがKさんのご要望。
そこで、便利さのための設備やセキュリティなどは通常のマンション仕様に設定し、プランは、そのときの発想次第でどうにでも使えるおおらかなワンルームタイプとしました。

インテリア材は、室内環境を快適にする自然素材にこだわり、古民家風に演出。天井に飾り小梁と垂木を配した杉材を使い、壁(クロゼット内部も含む)と天井は調湿作用(室内の湿気を吸い込んだり放出したりする)と脱臭効果のある珪藻土塗りにしました。また、キッチンの壁には油を吸い込む珪藻土を焼いたタイ ル、床には床暖房対応の無垢フローリング材と琉球畳を採用。
さらに、引き戸や障子を多用するとともに、玄関踏み込み(土間)を銀ねず色のタイル敷きとし、モダン感覚を織り込んだ古民家風の住まいを実現しました。

【プランニング辞典】ライフサイクルから考えた住まい[2]

『「ながらキッチン」から「スタジオキッチン」へ』

ライフサイクルの視点からのプランの工夫の2回目。
今回は、子供たちが大きくなり、自分の時間がもてるようになったら、料理の腕を活かして自宅で料理教室を開くのが夢というOさんのケースです。

子供が小さいときは、子供の様子を見たり、会話をしながら、調理をはじめとする複数の家事をこなすというのが基本。ですから、最初の段階では、視線を行き来させながら家事も会話もできる「ながらキッチン」がおすすめです。
手がふさがっていても目と耳が子供たちに向けられるオープンスタイルが好ましいでしょう。

そして、子供たちが大きくなったら、いよいよ「スタジオキッチン」に変身。
床をフローリングからテラコッタ調タイルにし、大きな調理台の下には、ボールや鍋類のための引き出しと用途別ワゴン(菓子づくり専用など)を設けます。また、カトラリーを吊るすバー付きのレンジフードに変更。

さらに、隣室の納戸を、食料品のストックや教室用の雑多な調理道具、下ごしらえ用冷蔵庫などを格納するパントリーとして活用するのがポイントです。

こうすれば、在庫チェックがしやすいだけでなく、普段からキッチンをスッキリとした状態に保つことができ、日常生活と料理教室をスムーズに両立できるというわけです。

【プランニング辞典】モノ持ち家族のための収納計画[2]

『動線も合理的なウォークスルークローゼット』

前回に続き、モノ持ちで整理が苦手なUさん一家の収納秘策第二弾。
シワにならずに出し入れ自在の衣類の収納です。

最近では、ウォークインクローゼットのある主寝室が一般的になりましたが、今回ご紹介するウォークスルークローゼットとは、寝室からクロゼットの中を通り抜けて洗面化粧室に行き来ができるクローゼット。

そのメリットは、寝室と洗面化粧室が直結するプライベートな動線です。洗面化粧室には、帰宅後に手を洗い、すぐに着替えて食事の支度をする忙しいミセスの方には、特に便利。

さらに、衣類が多すぎて季節の衣替えが億劫な方には、クローゼットの壁をイラストのように扉にすることで、両側から使用できるというメリットも生まれます。つまり、衣類の位置を季節ごとに移動させるのではなく、クローゼットの内部側と通路側で衣類を分類。
片側ごとに季節を配分することで、一年を通して定位置に収納できるようになります。これなら、帽子やスカーフなども、コーディネートに合わせてまとめて収納できるので便利。新調したら古い衣類を整理をするという目安も立てやすくなります。壁側の収納棚には、通年で必要になる下着やワイシャツ、礼服、寝具類などを入れましょう。

また、お子様が二人いらっしゃるご家庭なら、ウォークスルークローゼットを2室で共用できる配置。将来はファミリークローゼットにできるように、廊下側に配するのがポイントです。

【プランニング辞典】モノ持ち家族のための収納計画[1]

『大きなファミリー収納と個別収納で解決』

住まいにおける収納への不満度は男女ともに高く、アンケートなどでは常に首位。

それを解決する手段のひとつとしてウォークインクローゼットが登場し、いまでは一般的となっていますが、もちろんこれだけではモノとスペースのバランスを最適にすることはできません。

収納計画のポイントは、床面積だけでなく、高さ・奥行きを含めた立体空間(m3)で判断すること。
さらに、使い勝手をよくするためには、納めるモノに対して高さと奥行きが適正か、モノを出し入れする動線はスムーズか、という視点も大事にし、同時に生活空間とのバランスも考慮しなければなりません。

今回と次回でご紹介するのは、モノ持ちで整理や片づけが苦手というUさん一家のための収納秘策。

Uさん家族の持っているモノをカテゴリー別に分類すると、第1位が靴、カバン、衣類系。
2位が調理器具、食器・食材系。3位が趣味のアウトドアスポーツ用具系。番外で子供の玩具です。

■ モノを散逸させず、簡単にモノの指定席に戻すための収納秘策
【キーワードは「外出&帰宅時の動線」】

帰宅時にリビング・ダイニングに余計なモノを持ち込ませないために、家族の行動パターンから動線を計画。

【1】玄関に大型ファミリークロークをつくり、外で使うモノは玄関に集中収納。
~鍵類、靴、傘、帽子、旅行トランク、レジャー用品、子供の遊び道具など~

【2】ビールや食料品、調理器具、季節物の食器類を保管するパントリーを(1)の隣に配置し、そこを通ってキッチンへ。
イラストで示したように、玄関周辺にアウトドア系の道具や、まとめ買いした調味料などをカテゴリー別に集中収納できる場所をつくることで、上手に整理できるようになります。

【プランニング辞典】ワーキングマザーの「ながら家事」

『キッチンを核に複数の家事をテキパキこなす』

ワーキングマザーの悩みは、家事に費やせる時間に限りがあること。

朝は、朝食やお弁当の支度、子供の世話、ゴミ出し、後片付け、化粧と着替え、戸締り。
夜は、帰宅後の短い時間に、洗濯の取り込み、夕食の支度、子供の世話、留守番電話の処理、お風呂の準備、と分刻みで家事をこなします。

子供たちとのコミュニケーションやくつろぎの時間を十分に確保するためにも、家事は短時間で済ませたいもの。
そこでおすすめしたいのが、複数の家事を同時にこなす「ながら家事」プラン。
その中から、大半をキッチン&ダイニングで過ごす例をご紹介しましょう。

まず、家族と会話がしやすいフルオープンキッチンを核に、洗面室とウォークスルークローゼットのマルチな家事動線を計画します。

朝は、寝室⇒ウォークスルークローゼットで着替え
⇒洗面室で洗顔⇒キッチンへ。

帰宅時は、ウォークスルークローゼットで着替え
⇒洗面室で手洗い⇒キッチンへ。
これなら、動きに無駄が生まれません。

また、洗面室の洗濯機置場の上に物干しスペースを設けるのに加え、食後、子供の宿題を見ながらアイロン掛けやノートパソコンなどもできるような位置にコンセントを設置。
「ながら家事」に必要な小物や道具類は、キッチン脇の棚へ集中的に収納します。

■「ながら家事」プランの設計ポイント

[1] 帰宅後、まずどこに行き、何をするかを考える。

[2] 帰宅してから大半を過ごす場所はどこかを見極める。

[3] 同時に行える「ながら行為」を数えあげる。

[4] 「ながら家事」を実行するための「視線」と「動線」を考慮したゾーニングと広さを確保する。

[5] 「ながら家事」に必要なものをしまう「収納計画」の他、照明計画」・配線計画」にも配慮する。

【プランニング辞典】自然なコミュニケーションを育むファミリールーム

『キッチン横に、パソコン+畳座コーナーを併設』

家族はみんな、ママのそばに寄ってきます。
特に幼児は、ママの姿が見える場所が大好き。
ママも、子供の様子がわかると安心。

小さいお子様がいるご家庭では、昼間はリビングにベビー布団を敷いて昼寝をさせ、学童期になるとダイニングやリビングで遊んだり宿題をさせているようです。

そこで、ご家族が気ままに使えるもうひとつのリビング=ファミリールームの提案。

■ファミリールームのプランニングのポイント

[1] ママがいることの多いキッチンのそばにプランニングすること。

[2] 家族の気配を感じながら、ひとりひとり好きなことができる大きなテーブルを置くこと。

[3] パソコンや書棚を備えたワークステーションを設けること。

[4] 昼寝はもちろん、洗濯物を畳んだり、パパがゴロ寝できる畳座をつくること。

このような工夫によって家族の会話やふれあいを自然に育み、思春期のお子様ともスムーズにコミュニケーションを図ることができます。

【プランニング辞典】熟年夫婦のための寝室セパレートプラン

『ぐっすり、たっぷり、眠りたい!』

最近は、快眠のためのビジネスが過熱するほど眠りへの意識が高まっていますが、不眠の原因が以下のような場合は、
夫婦の寝室を別室にすることをおすすめします。
たとえば夫は暗くないと熟睡できないが、妻は常夜灯で明るくしないと眠れない。
夫は冷房をきかせないと眠れないが、妻は冷え性で空調嫌い。

このような眠りのスタイルのデリケートなズレは、健康面、精神面に悪影響を及ぼすことさえあります。
その上、熟年になると身体も心も頑固になり、眠りも浅くなりがち。
夫婦が円満に暮らすためにも、快眠の環境づくりが大切です。

今回ご紹介するのは、間仕切り家具や共有空間を各寝室の中間に設けることで、相手とつかず離れずのよい関係が自然につくれるプラン。

間仕切りひとつで、完全分離にも、ひと部屋にも調整できます。

共有空間を畳み座にして、本棚やミニ冷蔵庫などを壁面におさめれば、就寝までのひとときを共有でき、しかも眠るときはそれぞれ好みの寝室で、ぐっすり、たっぷり、眠れます。 melatonin

【プランニング辞典】オーダーメイドの脱n-LDKプラン

『暮らしのスタイルにしなやかに対応』

南側にバルコニー、南北に細長いプランが定番ともいえる一般的なn-LDKプランは、部屋数が優先されるため、どうしても居室面積は狭くなりがちです。

同じm2数なら広さを確保したい。さらに自分流の空間をつくりたいとお考えの方には、オーダーメイドマンションがおすすめ。

個人のライフスタイルや好みが多様化している昨今、自由にプランや設備が選べるのはうれしいことです。
また、住まい方やTPOに空間を柔軟に対応させたい方は、居室を壁で仕切らず、大きく開閉する間仕切りや建具を採用すれば、広々ワンルーム空間も、瞬時に複数の居室にすることができます。

【プランニング辞典】家族全員で楽しめる高機能リビングシアター

『リビングで最新式の薄型テレビなどを楽しむ』


新三種の神器と言われているのが、薄型テレビ、デジカメ、DVDレコーダー。

薄型テレビは、大画面で高画質なだけでなく、近い距離から見ても画面がちらつかないため、狭い部屋でもブラウン管テレビより圧迫感がなく見やすいそうです。 また、場所をとらないことも、薄型テレビの魅力。
リビングの壁面収納家具に42インチの薄型テレビを収納し、DVD、巻き上げ式スクリーン、プロジェクターなどを装備すれば、高機能なリビングシアターが完成します。
ポイントは、配線や機器類を隠すこと。大画面テレビやパソコン、周辺機器まで収納できる市販の壁面収納家具を活用すると便利です。

あとは、鑑賞のスタイルに合わせてソファの大きさや配置を決めましょう。
音響効果を考えると最低でも10畳ほどの広さは確保したいもの。防音スライド建具などで防音対策にもこだわれば、臨場感あふれる迫力のサウンドが堪能できます。

ここで、一点だけ注意。リビングルームに高機能化を求める場合、くつろいだり、家族とのコミュニケーションを楽しむ本来の目的を損なわないための配慮や、他の生活空間とのバランスに気を配ることが重要です。