【プランニング辞典】室内をスッキリ見せる

『逆梁工法とアウトフレーム工法』

通常のマンションでは、室内に梁や柱の出っ張りが生じます。
これをなくして、スッキリとした室内空間を実現する逆梁工法とアウトフレーム工法についてご説明しましょう。

逆梁工法は、鉄筋コンクリート造でラーメン構造(柱と梁で建物を支える構造)の建物に採用される工法です。通常は、柱と柱を結ぶ梁の上にスラブを載せて建物の床(天井)にしますが、このやり方だと室内に梁の出っ張りが生じます。
これに対して、梁にスラブを吊り下げるのが逆梁工法。効率的に採光を確保できるとともに、天井面に凹凸が生じないため、間仕切りも自由にできるのがメリットです。

また、柱をバルコニー側に出して、室内側に出っ張らないようにするのがアウトフレーム工法。
これによって、居住スペースが有効に確保でき、家具のレイアウトもしやすくなります。

スッキリとして開放感に満ちた空間をお望みなら、間取りを検討する前に、まず工法をチェックしたいものですね。

【プランニング辞典】子育てを孤立させない「土間・玄関」

『人を招きやすい玄関に子供の遊び場をつくる』

マンションの機能への要望としてセキュリティ対策を挙げる人が増えており、特に子供の安全への関心が高いようです。
セキュリティ対策に欠かせないのが隣近所の監視の目であり、ご近所づきあいが重要な意味をもってきます。

しかし、子育てが大変な時期にご近所づきあいをするのは、なかなか難しいの。
そこで新米ママが孤軍奮闘しないで済む、下足でもOKな、小さな土間・玄関の提案です。

これは、通常の玄関に子供部屋を足した感じの空間。

公園で出会ったお友だちや幼稚園のママたちを気軽に家に呼ぶコツは、私的空間を見せずに、おもてなしの場をつくることです。 昔の縁側、いまのカフェテラスのようなものと思ってください。
気軽に人が立ち寄りやすく、招くことが苦にならない仕掛けがポイントです。

子供向けの仕掛けとしては、自分たちで出して片付けられる絵本やおもちゃの収納棚を設け、メンテナンスが楽で冷たくない床材を使うこと。
また、大人向けの仕掛けとしてカフェテーブルとパソコンを置けば、帰宅後のパパの書斎としても利用でき、さらに将来、子供が大きくなったときにはアトリエや趣味の教室としても使えます。

【プランニング辞典】ひとりの時間も、団らんの時間も楽しい空間

『何役もこなす桟敷感覚のスペース』

今回ご紹介するUさん宅は、塾に通う小学生の男の子がいる3人家族です。

共働きのUさん夫妻のご要望は、親の不在時に子供の淋しさをカバーし、家族みんなが在宅する時間は、さりげなくコミュニケーションが図れる空間づくり。

ポイントは、各個室よりも居心地のよいパブリックゾーンをつくることでした。そこで、最近の逆梁工法では天井高が3m近く確保できる場合があることに着目し、その高さを最大限に活用。
リビングに面した場所に中二階のような空間をつくり、その下部は収納スペースとしました。

大人が立っていられるぎりぎりの高さの畳座に座り、リビングとの間仕切り戸を開けると、まるでリビングを望む桟敷席の感覚。

背丈の低い子供も中二階的な高さの畳座にいれば、リビングにいるパパと視線が近づき、自然に会話が生まれます。
また、秘密の基地ごっこなど、子供は狭い場所に閉じこもるのが大好き。
この空間があれば、昼間ひとりぼっちでも淋しくありません。さらに、ビールを飲みながら寝転んでテレビを見るパパの桟敷席や、家族のためにお茶を点てるママの茶室にも変身します。

【プランニング辞典】DINKSにおすすめのストレスレス・キッチン

『機能的なセミオープン・キッチン』

家事にかかる手間と時間をどう省くかが、お互いに仕事をもつご夫婦の最大の課題。特にキッチンと浴室のメンテナンスが、悩みのタネです。

そこでおすすめなのが、気分的にも肉体的にも料理と後片づけのしんどさを省いてくれる、ストレスレスのキッチン。

■ストレスレス・キッチンの基本

[1] シンプル機能の設備をフル装備すること

[2] ワークトップがフラットであること

[3] 効率的な動線であること

[4] 掃除が楽な仕上げ材であること

[5] 夫の協力を促すための二人で立てるスペースであること

基本はこの5つのポイントに留意することです。
さらに、コンロや換気扇をダイニングから丸見えにしないことも、レイアウトする上で大切な要素。
また、心地よいデザインやカラーも、疲れを軽減するのに効果的です。

【プランニング辞典】家具で間仕切るプランは、空間の有効活用と遮音にも有効

『間仕切る家具で空間の可変性を確保』

間仕切り壁の前に収納家具を設置するのが一般的ですが、面積が限られている場合や子供部屋などは、家具で仕切る方法が有効です。

幼児期は一部屋にして、思春期になったら二部屋に独立させたい場合などは、移動可能な収納家具にすれば、スペースはさらに有効活用できます。
また、子供部屋と夫婦の寝室が隣り合わせになる場合は、壁一枚より、空気層ができる収納家具で仕切ったほうが、遮音効果も上がります。


リビングと寝室を分けるときも、液晶テレビを両側で見られる工夫や、書棚で区切る造り付け家具を活用すると便利です。

【プランニング辞典】ライフサイクルから考えた住まい[1]

      『「ゆったりハウス」から「アトリエハウス」へ』

      家族の成長とともに、住まいにも変化が求められます。
      しかし、ライフサイクルの変化にそのつど対応しようとすると、かなりの手間と費用が必要。
      家族の人生設計プランを、当初からプランニングに反映させておくことで、大がかりなりフォームなどをしなくても、ずっと快適に住み続けることができます。

      今回と次回で、2つの家族のこだわりのある暮らし方とライフサイクルに対応したプランの工夫をご紹介しましょう。

      まず今回は、仕事もプライベートも100%謳歌したい30代の共働き夫婦のR邸。

      最初のステージでは、疲れた心と身体を癒す「ゆったりハウス」がテーマです。大きな間仕切り建具の開閉と大型収納家具で、心身ともにゆったりとくつろげるワンルームの大空間を実現。
      悠々自適の将来は、リビング横に配した客間兼畳座を趣味の陶芸工房にリニューアルして、「アトリエハウス」にします。

      ポイントは、床暖房を配した畳座をタイル貼りに変更し、新たに水場を設置できるように二重床の下まで配管しておくこと。建具は、リニューアル後も対応できるものを採用しておきたいものです。

      【プランニング辞典】暮らしやすく働きやすいSOHO空間

      『生活空間とワークスペースを両立させる工夫』

      パソコンの機能の向上やインターネットの普及により、SOHO(Small Office and Home Office)という新しいスタイルが注目を集めています。

      SOHOとひとくちにいっても、デザイナーや司法書士などの専門分野から一般企業の在宅勤務・サテライトオフィス、自宅での料理教室やネイルサロンの開設などさまざま。
      そのポイントは、生活空間と仕事空間の棲み分けと、状況に応じて多様なスタイルに対応できることです。

      その一例として、生活空間の中にさりげなく仕事装置を組み込んだスタイリッシュで快適な空間で、小さなお子さんの面倒を見ながら、デザイン関係の仕事をしているYさん宅をご紹介しましょう。

      ■暮らしやすく働きやすいSOHO空間の設計条件

      [1] 子供の面倒を見ながら仕事ができるよう、仕事場を独立部屋ではなく、生活空間の一部として設定。

      [2] 資料や道具などの収納は隠しながら、仕事に最低限必要なスペースを確保。

      [3] 電話回線を公私別々に設定するとともに、コンセント配線などは見えないように設置。

      [4] 家事負担を軽減する設備の採用とコンパクトな家事動線。

      [5] 徹夜仕事に配慮して、家族の休息時間のプライバシーを確保。

      事例を参考に、ワークスタイルや家族構成に合わせて、あなたらしいSOHO空間を工夫してみてください。

      【プランニング辞典】間取りを選ぶ前に

      『主流の3LDKプランを構造からチェック』

      マンションの間取りを見る場合は、構造の視点も大切です。

      ここでは、耐震性能や遮音性能といったマンションの性能についてではなく、間取りを基本的なところで左右する構造を、主流となっている3 LDKのプランを使って説明します。

      ■主流の「田の字プラン」(箱型・シンプル構造)

      東京オリンピック、列島改造による郊外型・大規模集合住宅で開発された細長いユニットです。

      間口は、6メートル前後。 玄関から廊下が延び、キッチンや浴室を中央に挟んでリビング・ダイニングと居室が田の字に配置されるのが一般的でしたが、最近は洗面室経由で主寝室からキッチンへの動線を確保するなど、プランも工夫されるようになりました。

      ■玄関が「センターインプラン」(エレベーターが核の構造)

      2~3戸に1基のエレベーターを配置。

      これによって、玄関が住戸の中央に配置され、玄関を挟んで個室とリビング・ダイニングがゾーン分けされるのが一般的です。
      居室が外壁に面することが多くなるため、採光・通風にも優れています。

      ■間口が広い「ワイドスパンプラン」(住戸間口が広い構造)

      奥行きより間口が広いユニット。バルコニー側に居室を配することで、明るさと広がりを十分に確保できます。
      最近では間口が10メートルを超えるワイドスパンも登場。共用廊下を中廊下型式にできるのもメリットです。

      ■眺望が魅力の「タワー型プラン」(超高層)

      ランドマークになるステータスとともに、高層階からの眺望が楽しめるプラン。角住戸のリビング・ダイニングは、2面採光の開放感が得られることが多くなります。

      このように、ひと口に3LDKプランと言っても、基本の構造によって、その性格は大きく左右されます。
      より的確なマンション選びのために、間取り図と同じように、基本構造についてもぜひ関心を向けてください。

      【プランニング辞典】こだわりの書斎づくり[2]

      『開閉扉で廊下に突如出現する1坪書斎』

      書斎が欲しいけれど、スペースがとれない。しかし、書類やパソコンなどを出しっぱなしにして出勤するのには抵抗があると悩んでいたS氏は、廊下スペースに注目。

      「何とか使えないか」のひと言で、廊下を書斎にする挑戦が始まりました。クリアすべき課題は二つ。廊下は玄関に近く空調がないため、寒く暑いこと。そして、家族が行き来するのに邪魔なこと。

      ひとつめの課題は、間仕切り壁の上部を建具にして居室の空調を利用できるようにし、冬対策として床暖房を設けることでクリアしました。さらに、動線の課題は、利用する時間を制限し、移動しやすい椅子を使うとともに、家族の協力も得て解決。

      こうして生まれたのが、ご覧の書斎です。

      押入のようなスペースを、廊下側に配置。廊下に面した建具は普段は鏡の壁に見えますが、開けるとちょうど廊下幅なので、扉に囲まれた1坪の書斎空間が出現するという具合です。造作家具で内部に机と棚をレイアウト。
      キャスター付きの椅子は、普段は机の下に格納するという工夫をこらしました。

      【プランニング辞典】こだわりの書斎づくり[1]

      『リビング横の2畳箱型の書斎』

      今回ご紹介するのは、22畳のリビング・ダイニングに、離れ感覚の書斎を希望されたOさんのケースです。

      リビングを、ひとりひとりが気ままに過ごせる大人の和空間に設定。
      まず、フローリング床を桐の無垢板600角の市松貼りに変更してダーク調に仕上げ、シックな空間としました。
      冬暖かく肌ざわりもやさしい上、抗菌作用のある桐材は、素足好きなOさんにピッタリ。

      そこに白の革張りソファを置き、日本的な美を演出しています。

      そして、リビングの一角に、プレーンな空間のアクセントとなる青い2畳の箱型書斎をプランニング。
      引き戸を閉め、床に取り付けた照明器具を点灯すると、青い箱が浮かび上がって見えます。逆に引き戸を全開にすると、居心地のよい小さな茶室風離れが出現。
      箱型書斎は、壁の色や素材、仕切り方などで、リビング全体の雰囲気を変幻自在に演出できます。

      Oさんは将来、ご自身の書を飾りたいそうです。また、書斎の畳床を400mm程上げることで、腰掛けてパソコンなどの作業ができるようにし、マルチメディアコンセントを備えた机や、本箱、板床も設置。
      天井は和風にせず、ステンレスのワイヤーメッシュ仕上げでモダンな印象に仕上げました。